野鳥にまつわる一風変わったフィールドノート


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たかんぼ

Author:たかんぼ
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 バードウォッチング、野鳥撮影の
 合間に「ぼぉー」と考えていたこと
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鷹羽狩行の名句案内
 10月1週目は残念ながら仕事で、バードウォッチングはお休みである。

 最近のマイブーム、写真俳句。もう少し、まともな句を詠みたいとの思いから、「鷹羽狩行の名句案内」(NHK出版)を読んだ。
 帯文には「美しく、正しい日本語によって結実した名句。俳壇の第一人者が解説する、季語から選んだ古今名句510」・・・その通りの内容である。

 多くの優れた写真を鑑賞することは、写真上達には欠かせない。俳句も同じである。

 この本で名句として掲載されている中から、鳥を詠んだ句で私の好きな句を紹介したい。

 やはらかく山河はありぬ鳥の恋  井上弘美
 一身を矢とし翡翠漁(すなど)れる  山口速
 ほととぎすいくつもの山下に見て  茨木和生
 笹鳴の移りて残る日差しかな  星野恒彦

 どの句も美しい日本語によって、その映像が目の前に広がる。
 四季を感じとる、その卓越した日本人のセンスによって作り出された季語。その季語を駆使して描かれる世界は、心象風景まで映像となる。そんな句をいつか詠みたい、そんな写真をいつか撮りたいと願う。

テーマ:紹介したい本 - ジャンル:本・雑誌


のはらのうた1 ・・・ くどうなおこ
 11/22、23、24日と三連休のはずが、二日間は仕事と残念な連休に終わった。勤労感謝の日である24日も冷たい雨の中、出勤であった。休日の仕事はなぜか、勤労意欲がいつもに増してダウンする私である。

 そんな日は、こんな本が良い。

 「のはらのうた1」 くどうなおこ

 子供向けに書かれた詩集である。ほとんど漢字が使われていないところから察するに、小学校低学年までが対象かもしれない。しかし、大人も楽しめる。自分自身の小学生の頃を思い出し、昆虫採集に夢中になって「のはら」を走り回った頃の風景を懐かしく思い出す。

 また、一編ごとに付けられた作者名もおもしろい・・・「へびいちのすけ」「かまきりりゅうじ」「かぜみつる」「すみれほのか」等々。

 普段、バードウォッチングなんかをしていて、自然を見ているつもりでも野鳥以外には、見ていなかったことに、今さらながら気づく。

 大きな目で、空、雲、風を見つめ、時にメダカ、テントウムシ、カマキリを注意深く見つめる。詩人としての作者の自然(「のはら」)を見つめる優しくて、暖かい目に驚く。

 私のお気に入りの一編を紹介する。
 

「いのち」   けやきだいさく

わしの しんぞうは
たくさんの
ことりたちである
ふところに だいて
とても あたたかいのである
だから わしは
いつまでも
いきていくのである
だから わしは
いつまでも
いきていて よいのである

のはらのうた1」 工藤直子 童話屋
 

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌


野の鳥は野に 評伝・中西悟堂 ・・・ 小林照幸
 本書はサブタイトルにあるように「中西悟堂」について書かれた本です。「日本野鳥の会」創立者として一般的には認知されているのではないでしょうか。しかし、鳥類と深く関わる以前は、文学にも明るく詩集も出版しており、また僧籍にあって思想家としても評されています。

 本書は、彼が鳥と深く関わる30代後半から、鳥の保護活動を軸に自然環境保護活動の様子を、「野の鳥は野に」、「自然を保護することは、結局、人間を保護することだ」という悟堂の哲学を織り込みながら進んでゆきます。

 バードウォッチングを趣味とする私にとっては、興味深い話も多くありました。
・「探鳥会」「野鳥」という言葉は悟堂が創り出した。
・悟堂の開催した静岡県須走高原での日本初の探鳥会メンバーには柳田国男、北原白秋、金田一春彦ら多くの文化人が 参加していた。
・「県鳥」の制定を提案をしたのも悟堂だった。
・トキを国際保護鳥にと提唱した。
・バードテーブルの発明 などなど。

 悟堂は「バードウォッチングという言葉は、鳥をモノとして見ている気がしてならない。鳥だけを見てればいい。という意味に感じて仕方ない」とも・・・厳しいお言葉です。

 現在の「日本人と鳥」との友好的関係の基礎を築き、「開発と自然保護」という相容れない命題に正面から挑む悟堂の姿を追ったこの本は、面白く読めました。

 また、今と変わらず、今以上に、野鳥を楽しむことの出来る環境を未来に残すために、自分の出来ることは何なのかを考えさせられる1冊でもあります。

【野の鳥は野に 評伝・中西悟堂 (著者:小林照幸 新潮選書)】

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌


俳句と詩歌であるく鳥のくに ・・・ 風信子(市村慶子+長原啓子)
 「俳句と詩歌であるく鳥のくに」 ・・・風信子市村慶子長原啓子)著

 帯には「俳句・詩歌の趣味人必携の一冊」とあり、バードウォッチング趣味人や野鳥ファンに向けて書かれた本ではないです。

 とは言え、2章から4章では80余種類の野鳥が、その詠み込まれた短歌、俳句、詩とともに紹介されていて、この部分は帯にもあるように「新しいスタイルの図鑑」としてバードウォッチャーにも楽しめます。
 また全頁にわたって中野泰敬戸塚学の素敵な写真がそれぞれのテーマにあわせて使われていて写真集としても楽しむ事ができます。

 学生時代に古文をさぼっていた私としては、短歌や句の解説がないのが残念でした。古文の文法が怪しい私には解説無しでは、せっかくの名句・名歌も古今の著名な文人たちが、どのような思いを野鳥に込めて詠んだのかが理解できないのです・・・。

 古来、農耕民族である日本人にとって、季節を知ることは農作業上で大変重要なことだったと思います。月の満ち欠けを基準とする太陰暦の日付では、知ることの出来ない季節の移り変わりを二十四気はもちろん、野鳥の行動に関心をはらうことで知ったのではないでしょうか。
 その中で、野鳥に起源を発する言葉、その行動を現す言葉が季節をともなって使われてきたのでしょう。

 「美しい国、日本。」という政権構想を掲げた総理大臣も昨日には、2代前となりました。
 「俳句と詩歌であるく鳥のくに」には、本当に美しい日本語が散りばめられています。本当に美しい国であった頃の日本がこの本にはあります。

 日頃、双眼鏡やファインダーを通して野鳥を見ることが多いですが、この本はいつもと違う「鳥のくに」へ案内してくれます。

テーマ:ブックレビュー - ジャンル:本・雑誌


「野鳥を友に」 高野伸二
 高野伸二氏が新聞や雑誌に発表した文章を没後にまとめて1985年に出版され、4年後の1989年に文庫になったものが僕の手元にある「野鳥を友に」のようです。つまり20年以上前に書かれた文章ということです。

 「野鳥への誘い」
 「野鳥を見る」
 「鳥と花と名前と・・・・・・」
 「クモと鳥」

 四章の構成です。メインの「野鳥を見る」は、身近な鳥を中心に70種以上を紹介しています。随筆集というよりは、図鑑の解説文が話言葉になり、当時のエピソードを付け加えているといったところです。20年以上前に書かれたとはいえ特に違和感もなく読めました。

 「野鳥への誘い」、「鳥と花と名前と・・・・・・」の章は面白いです。
野鳥への誘い」では野鳥撮影者の「けしからん行動」について例を挙げて書かれてますが、自身も野鳥撮影をされていたようです。ミヤコドリを「なんとか近くで観察し写真も撮りたいとやっきになった」そして「干潟を腹ばいになって近づいたり、ある時は腰まで水につかって三時間も待ったりした」といった件もあります。

 この他にも、図鑑の絵を描くという仕事の大変さについても書かれています。「足の色」や「目の色」に特に注意を払って苦労された話などは、「フィールドガイド日本の野鳥」を愛用している僕には、特に興味深く読めました。

 どう捉えれば良いのか解りませんが、20年以上前のバードウォッチング事情もあまり今と変わらないようです。もし手にする機会があれば読んでみて損はないと思います。

野鳥を友に」 高野伸二 朝日新聞社

テーマ:書評 - ジャンル:本・雑誌